2022.05.19
51期上善水如~常岡前専務の天国からのご指導~
5月13日は弊社前専務、常岡俊子の3回目の祥月命日でした。
弊社お客様のお庭には、この時期、とても綺麗なバラが咲き誇ります。このバラは、2017年にお客様が天皇陛下からの叙勲を受けた際に弊社からのお祝いとして常岡専務と選び、お贈りをしたものです。毎年このバラが咲き始めると、お客様のご子息様より写真とともにお電話をいただきます。
2019年5月3日に常岡専務は在任中にご自宅で突然倒れられ、意識を回復することなく5月13日の夕方に永眠いたしました。奇しくもその日は、大宮のまちの建物を数多く設計され、弊社がお客様の建物を管理させていただくきっかけを繋いでいただいた方がお亡くなりになられた日でもありました。
命日に専務の墓前に手を合わせ、週末はご自宅にお伺いし旦那様と1時間半にもわたり、常岡専務の思い出話から、会社の現状などをお話してまいりました。
そして、改めて、常岡専務との思い出とお客様を始め皆様が「常岡専務は凄い!」とお話される要諦はどこにあったのかを回想いたしました。
そこで改めて気づいたことは、「人徳」が備わっていたということです。「喜怒哀楽」の表現力の豊かさ、そして善悪の判断に対して、その場その場でピシャリと指導されていた点はとても魅力的で、軸と芯がしっかりしており、何事に対してもブレず、クレーム対応が大好きとよく話していた通り、人がマイナスに捉え、下を向きそうな時に持ち前の明るさと前向きさで率先して行動する姿勢、どんな相手であったとしても、怯むことなく相手の話を聞き、自ら(会社)の考えをきちんと話すといった、度胸が据わった姿が今も鮮明に思い出されます。
以前読んだ安岡正篤先生の著書の中で、常岡専務のこのような行動をぴったりと表す言葉が記されていました。それは、「時務」と言う言葉です。私どもが仕事で使う、事を務める「事務」と違い、時の務めである「時務」は、時と言う文字が示す通り、その時、その場、その問題に対して、常に自らの信念、識見、そして器量の中で本質を見極めて、判断し取り組む行動のことです。
「常岡専務は凄い!」と言うこの言葉は、まさに「時務」を常日頃から実践していたからこそ、裏打ちされていたのだと思います。また、その原点には、会社や社長、従業員のみんなを愛し、自らの力の全てをそこに尽くす、捧げるといった「会社・仕事を愛する」高い志があったからこそです。
これを、一言であらわすと、「人徳」というものであり、枝葉となる知性や技能といったものとは違い、人間として最も大切な部分となる根幹の部分が備わった人をあらわすと思います。そしてそれが、常岡前専務であると思います。
今もなお、常岡専務は、私たちに「一生懸命、頑張りなさい!」と厳しくも、温かい眼差しで天国から指導してくれているように感じています。
会社を築いてきた先人である、天国の常岡専務に心から感謝し、仕事や生活、取り組みにおいて今一度自らを振り返り、姿勢を正してまいります。